会場へ

それと平行して 何度もY市へ足を運び
自宅周辺のことや… 知り合いを探しまくった。

一向に 手がかりを得ることが出来ない俺は
『違う世界に来てしまった』と そう結論づけた…。

たぶん それは
そう大きくも 間違っていないはずだ。

だったら 俺の 今存在する世界で 一生懸命生きて
精一杯頑張って ここで一生を終えても…

それは 悪くはない事かもしれないと
思い始めていた。

幸い こうして仕事も見つかり
住む場所も確保して 夢と呼べる代物でもないが

趣味の物書きも 始める事が出来たし
何より見てくれる人が 今 少しずつ増えてきて…

4年前の 何をやっても 上手くいかなかった生活や
悲観的な性格と比べると 雲泥の差で… 

ひょっとしたら 本当はこっちが自分の住んでいた世界で
4年以上前に住んでた世界は

間違って ただ迷い込んでいただけなのかもしれないと…

そう 思うようにも なってきた。

届いた手紙に ひと通り目を通した後
いつものパスタ屋で いつものランチを食べ 家に戻り また筆を進める。

毎回 悩みの種は
題材を決めるまでに 時間が掛かる事だ…

題材さえ決めてしまえば ババババーッと
最後まで書ききれるのだが テーマを決めるのに時間がかかる。

執筆活動の大半は 書くことではなく
そういった題材集めが メインになってくるといっても
過言ではない。

集中できる環境というのは 人それぞれで
本当に無音でないと書けない人もいれば、カフェやレストランの中でも 平気で書ける人もいる。

俺は どちらかと言えば後者だけど…
まったく無音でなくても 集中はできる。

もっぱら自宅で テレビをつけっぱなしの執筆だ。